ご自宅で練習している時にどうしても音を間違えてしまって、なかなか直せないということはありませんか。間違えてしまうことはわかっているのに、何度も繰り返してしまう。指が間違えた音を勝手に弾いてしまう。
それは間違えた音が脳にインプットされてしまったからです。脳内に一度インプットされた情報はなかなか修正することができません。インプットするために使った時間の倍くらいの時間を使って、正しい情報をインプットし直さなければいけなくなります。できれば避けたいですね。
音を間違えないためのたった一つの方法があります。
最初から間違えた音を弾かないことです!
ではそのためにはどうしたらいいのでしょうか。
最初に楽譜を見渡した時に、すぐ弾いてみたくなる気持ちはわかります。すぐ理想のテンポで弾きたくなる気持ちもわかります。
でもぐっと我慢して下さい。片手ずつでも両手でも構いません。ワンフレーズずつ(メロディーを一息で歌える長さ)練習していきます。
重要なのは指使いです。指使いを考えることは音楽を考えることでもあります。そして間違いを弾かないための大切な方法です。書いてある指の番号は音と同じぐらい大切な情報ですので、絶対見落とさないようにしましょう。
指使いを守って弾くと手のポジションが自然と決まってくると思います。どの音で移動するのか、手をどのくらい開く必要があるのか、そのような動きの流れを、ゆっくり弾きながら確認していきます。ワンフレーズずつです。
もし間違えそうになったら、すぐパッと弾くのをやめてください。危ないところでした。良い動きの連続でいつも進むようにしてください。
慣れてきたら少しずつテンポを上げていきます。そのフレーズに余裕が出てきたら、次のフレーズに進みましょう。とても地道ではありますが、間違えを直す時間に比べたらなんてことはないです。
私が大学院生だった頃に、ルース・スレンチェンスカさんの公開講座を受講したことがあります。彼女の練習方法はワンフレーズをメトロノームを40に合わせて弾いて、その後1ずつ上げて弾いていくのだそうです。41、42、43・・・気が遠くなります。
でもこの練習をすればどんなフレーズも絶対に弾けるようになるそうです。
スレンチェンスカさんは現在95歳で、今もなんとyoutubeで演奏をあげています!驚異的ですね。よかったらご覧になってみてください。